タテジマキンチャクダイ(縦縞巾着鯛)

真っ青な身体と黄色のタテジマ模様のコントラストが美しいタテジマキンチャクダイは観賞魚としての人気も高く、水族館でも見る機会が多いかと思う。ペットショップでも比較的手に入りやすい魚で丈夫だが、同属魚種・同種同士の複数飼育では喧嘩に注意が必要である。


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分類・学名・英名

分類

スズキ目スズキ亜目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属

学名

Pomacanthus imperator

英名

Emperor angelfish

生息域・分布


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相模湾以南のイースター島を除く中、西部太平洋、インド洋の珊瑚礁域や岩礁域ドロップオフや潮通しが良いリーフ外縁などに主に生息する。キンチャクダイ科の中では最も生息範囲が広い種のひとつである。

タテジマキンチャクダイの特徴や生態について知る

形態的特徴

真っ青な身体と黄色のタテジマ模様のコントラストが美しいタテジマキンチャクダイだが、幼魚と成魚では、色彩や模様が大きく違いまるで別種のように見える。幼魚の特徴は濃紺の体に白い同心円状の模様が入っている。


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まるで渦巻のように見える模様の入り方のため通称「ウズマキ」と呼ばれる。このウズマキの模様は敵に襲われそうになった際に、相手を惑わすため、目玉にように見える模様としての役割を持つという説や、敵に襲われないように細い海藻やヤギ、枝サンゴに似せた模様をしているという説もある。対して成魚は青地に多数の黄色い縦縞模様が入る為、通称「タテキン」と呼ばれている。

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泳いでいる姿を見ると横縞模様ではないかと思えるが、名前の由来のタテジマは頭を上にすると縦縞になる事からきている。成長すると全長が40cmほどになる。また、成長に伴い模様が変わる途中の状態を通称「ウズキン」と呼び、鑑賞目的の飼育下では成長とともに徐々に模様が変化していく様を楽しむ事ができる。

個体差はあるが、幼魚から成魚の模様に変化するのには、通常12cm~15cmに成長する事で模様が変化する。一般的に寿命は5年~8年前後と言われている。成魚、幼魚ともに、キンチャクダイ科の特徴である鋭いトゲがエラの下に1対以上ある。1対以上と記載したのは、オスの個体にはこのトゲが2対あり2対の内1対は短めになっているという特徴がある。


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生息範囲が広いため、地域により個体差がある。現在では「太平洋型」と「インド洋型」に分けられており、日本で見られる「太平洋型」は背びれ後方にある軟条部が長く伸びる事が特徴。対してインド洋で見られる「インド洋型」は軟条部が長く伸びることはなく丸くなっている。

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生態的特徴や習性

縄張り意識が強い魚の為、自分の縄張りから配偶者以外の成魚を追い出す習性がある。そのため、成魚は群れを作らず単独、もしくはペアーで行動する。また、幼魚同士でも争うこともあり、幼魚は基本的に単独でいる事が多い。


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ダイバーなどが近寄ると岩場の穴などに身を隠すが、隠れながらもグワッグワッという威嚇音を出して追い払おうとする行動をする事もある。上記で述べた通り、幼魚は、成魚と違った模様を持つ。これは模様をかえることで成魚に対し同種のライバルではないことを表している。そのため、成魚の縄張りに入っても攻撃される事はないのだが、幼魚が成長して模様が成魚に近づいてくるとライバルとみなされ、攻撃を受けるようになる。タテジマキンチャクダイの幼魚は上下にと体を揺らし、クネクネと泳ぐ「ワギング」という動作を行う事があり、これは自分を他の有害生物に見せる為の擬態行動の一種といわれている。食性は雑食性で主に海綿、郡体ボヤ、藻類などの付着生物など植物性の物を食べるが、飼育下では冷凍クリルやオキアミ、配合飼料なども食べる。幼魚と成魚で食性は変わらない。